色彩のブルース(改良版)
EGO-WRAPPIN'
コード進行
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// カウント [count] z // Sax ソロ(イントロ続き)[intro, vol=p, style=jingle] Bm7 C#7b9 F#m7 F#m7 Bm7 C#7b9 F#m7 F#m7 Bm7 C#7b9 F#m7 F#m7 Bm7 C#7b9 F#m7 F#m7 // Aメロ 1番 [vol=mp, style=jingle] Bm7 C#7b9 F#m7 F#m7 Bm7 C#7b9 F#m7 F#m7 Bm7 C#7b9 F#m7 F#m7 Bm7 G#7 C#7 C#7b9 // サビ 1番 [vol=mf, style=ride] Bm7 C#7b9 F#m7 F#m7 Bm7 C#7b9 F#m7 F#m7 Bm7 C#7b9 F#m7 F#m7 Bm7 C#7b9 F#m7 F#m7 // Aメロ 2番 [vol=mf, style=jingle] Bm7 C#7b9 F#m7 F#m7 Bm7 C#7b9 F#m7 F#m7 Bm7 C#7b9 F#m7 F#m7 Bm7 G#7 C#7 C#7b9 // サビ 2番 [vol=mf, style=ride] Bm7 C#7b9 F#m7 F#m7 Bm7 C#7b9 F#m7 F#m7 Bm7 C#7b9 F#m7 F#m7 Bm7 C#7b9 F#m7 F#m7 // Sax ソロ [vol=mf, style=ride] Bm7 C#7b9 F#m7 F#m7 Bm7 C#7b9 F#m7 F#m7 Bm7 C#7b9 F#m7 F#m7 Bm7 C#7 F#m7 F#7 // Piano ソロ [vol=mf] Bm7 C#7b9 F#m7 F#m7 Bm7 C#7b9 F#m7 F#m7 Bm7 C#7b9 F#m7 F#m7 Bm7 G#7 C#7 C#7 // 最終サビ A [vol=f, style=ride] Bm7 C#7b9 F#m7 F#m7 Bm7 C#7b9 F#m7 F#m7 Bm7 C#7b9 F#m7 F#m7 Bm7 C#7b9 F#m7 F#7 // 最終サビ B [vol=f, style=ride] Bm7 C#7b9 F#m7 F#m7 Bm7 C#7b9 F#m7 F#m7 Bm7 C#7b9 F#m7 F#m7 Bm7 C#7b9 F#m7 F#m7 // アウトロ Sax solo [vol=mp, ending] Bm7 C#7b9 F#m7 F#7 Bm7 C#7b9 F#m7 F#m7 Bm7 C#7b9 F#m7 G7b9 F#7b9
楽曲解説
EGO-WRAPPIN' の代表曲(1999 年)として「アラビアン・ジャズ・ノワール」と呼ばれる独特な音世界を確立した楽曲。中納良恵のボーカルと森雅樹の作編曲による昭和歌謡 × ジャズの完璧な融合で、和ジャズの金字塔。ハーモニックマイナー由来のテンション(C#7♭9)が生む退廃的な空気と、シンプルな iv → V7 → i 循環が組み合わさり、聴く者を瞬時に昭和の夜の街へ連れて行く。
本エントリは Pop / Jazzy 2(2026-05-08 新設、本アプリ v2 ジャンルの新版)向けの改良版アレンジ。既存の (Pop / Jazzy、BPM 127)と同一のコード進行を共有しつつ、Pop / Jazzy 2 の特徴(BPM 100、ride 主体 brush ドラム + walking 8 分 bass + シンコペ chord stab piano + jingle bell overlay)に合わせて構成を全面再設計。
主な改善点
- 既定 BPM = 100(既存 127 より遅め、ノワール度を強調)
- ベースは王道 walking 8 種(1-3-5-approach 主体)の weighted random、section-end は cadence 専用パターンで統一(10/10 の bassist が選ぶ leading-tone 解決)
- ドラムは 3 段階 section-end aware:基本(brush hat + snare backbeat)/ [style=ride] サビ(ride bell + ride 8 分 + snare ghost)/ [style=jingle](jingle bell overlay)
- 各セクション末尾に 3 種の drum fill(snare crescendo / 拍 3-4 burst / ride bell 入り)を weighted random
- アウトロ最終小節 G7♭9 → F#7♭9(半音 chromatic descend)で未解決終止
音楽理論で読み解く
【全体像】
キー F# マイナー(嬰ヘ短調)、4/4、BPM 100 のジャジーノワール。全編が Bm7 → C#7♭9 → F#m7 → F#m7 の 4 小節 vamp(iv → V7♭9 → i → i)の反復で構成され、セクション末尾でターンアラウンド・V/iv・V/V を差し込んで起伏を作る。シンプルさの中に職人技が光る構造。
【iv → V7♭9 → i の魔力】
キーは F# 自然短音階(Aeolian)だが、ドミナント C#7 だけは F# ハーモニック・マイナー(F# - G# - A - B - C# - D - E# - F#)から借用された V7。さらに ♭9(D♮)を加えることで、ハーモニック・マイナー由来の D♮(♭6)が C#7 のテンションとして取り込まれ、強烈な「アラビアン・ノワール」の響きが生まれる。
- C#7♭9 のスケール候補: C# - D - E# - F# - G# - A - B(HM5th = フリジアン・ドミナント、別名スパニッシュ・ジプシー)
- これが歌謡曲なのに「夜の異国感」を作る源泉
- 似た技法:マイケル・ジャクソン「Smooth Criminal」、ジプシージャズ全般、フラメンコ、Dick Dale 系サーフ
【イントロ / Aメロ 1番(ジングル付き)】
最初の Sax ソロ(イントロ)は [style=jingle] で jingle bell の装飾を加え、昭和歌謡 / クリスマス・スタンダード的な空気を漂わせる。Aメロ 1番もそのまま [style=jingle] を継続して連続感を保つ。
Aメロ末尾「Bm7 → G#7 → C#7 → C#7♭9」のダブルドミナント・ターンアラウンド:
- G#7 = V/V(C#7 のドミナント)。F# minor 上では V7/V となり、C#7 を呼び込む
- C#7 自身は V。その上の G# がさらに上のドミナントを呼ぶ「二段重ね」
- 最後の小節で ♭9 が遅れて到着することでサビ突入直前のテンションを最大化
【サビ(ride 主体)】
[style=ride] でドラムが ride bell + ride 8 分主体に切り替わり、ピアノは drop2 シンコペコンプ(5 種 random rotation)、ベースは walking 8 種維持で密度感のみで盛り上げる(音量増ではなく質感増)。コード進行は基本 vamp に戻り、シンプル反復でメロディを際立たせる戦略。
【Sax ソロ 2 周目末尾の F#7】
「Bm7 → C#7 → F#m7 → F#7」。最後の F#m7 を F#7 に置換することで V/iv(次の Bm への secondary dominant)を生み、ループに戻る Bm7 を「劇的に響く着地点」として再演出する。歌謡ジャズ定番のターンアラウンド技法で、同じ進行を繰り返す中で飽きさせない手法。
【Piano ソロ末尾】
「Bm7 → G#7 → C#7 → C#7」。Aメロ末尾とほぼ同じだが、最後の ♭9 を抜くことで「次の最終サビ A への継ぎ目」をやや穏やかに。微差で曲を進ませる EGO-WRAPPIN' らしい設計。
【最終サビ A の末尾 F#7】
「Bm7 → C#7♭9 → F#m7 → F#7」。最終サビ B へ向けてもう一段の V/iv 注入。サビを繰り返すたびに微妙な差を加える職人芸的な作曲技法。
【アウトロ:未解決終止】
最後の小節 「G7♭9 F#7♭9」 は 2 拍ずつのコード変化で、半音上の G7♭9 → F#7♭9 へ chromatic descend。さらに着地が F#m7 ではなく F#7♭9(ドミナント化)で、本来の i(F#m)に解決せず宙吊りのまま終止する。「色彩のブルース」の物語が完結せず夜の街に溶けていくような余韻設計。ジャズ・スタンダード的な未解決終止の模範例。
【聴きどころ】
- ハーモニック・マイナー由来の C#7♭9 が生む異国情緒
- iv → V7♭9 → i 循環の催眠的な魔力
- セクション末尾の差分(ダブルドミナント G#7 / V/iv = F#7 / chromatic G7♭9)で進行を彩る職人技
- 最終小節 F#7♭9 の未解決終止が残す余韻
【コード進行学習の題材として】
- ハーモニックマイナー由来 V7♭9 の使い方
- セカンダリードミナント / ダブルドミナント
- V/iv(マイナー i を一瞬メジャー化)の劇的効果
- chromatic descend を使った終止
これらは jazz / 歌謡曲 / 映画音楽など幅広いジャンルで頻出する技法で、本曲はこれらすべてが 4 小節 vamp の中に詰まっている稀有な教材。