🎹 SC-88PRO / MU100 外部音源ガイド

Roland Sound Canvas シリーズ / Yamaha MU シリーズ等の 定番 MIDI 外部音源 11 機種に完全対応しました。 公式トーンリスト 8,900+ 音色、EFX 65 種、Master EQ、2-port 32ch、 .midnam 取込み等、本格 DTM ユーザの要求に応える機能を解説します。


📋 対応機種一覧

機種音色数用途・特徴
GM Standard128General MIDI 基準音色
Roland SC-551991327GM の事実上の基準機 / 90年代パソコン通信時代の標準
Roland SC-55mkII1993358SC-55 改良版 / DOS/V Win95-98 期で大量採用
Roland SC-881994860初の本格 GS 拡張機 / 同人ゲーム音楽の主役
Roland SC-88PRO19971,659GS フラグシップ / 64 voice / EFX 64 種 / 業務スタジオ標準
Roland MT-321987129GM 以前の LA 音源 / DOS ゲーム黄金時代 (Sierra/LucasArts)
Roland JV-108019941,668PCM シンセ / 90年代 J-POP 制作定番
Roland JV-208019972,149JV-1080 後継拡張版 / EXP ボード対応
Yamaha MU501995511XG エントリ機 / 中高生 DTM の入口
Yamaha MU801996545XG 中堅
Yamaha MU100R1998571MU シリーズ / Insertion FX 1 系統 / Variation 拡張

すべて公式 .midnam (MIDI Manufacturers Association 標準 XML、Ardour 配布版) から 自動生成しているため、各音色の Bank MSB / LSB / Program Change が 厳密に正しく登録されています。


🎵 Voice Browser での音色選択

トラック追加ダイアログまたはトラックダブルクリックで開く 音色ブラウザから、上記 11 機種を切替えて音色を選べます。

使い方

  1. トラックダブルクリック → 「外部 MIDI」タブ
  2. 音色ブラウザ上部のメーカータブから機種を選択 (SC-88PRO 等)
  3. 左ペイン: カテゴリ (Piano / Guitar / Strings 等)
  4. 右ペイン: 音色一覧 — クリックで Bank MSB/LSB/PC が自動セット
  5. 「Capital のみ」フィルタで GM 互換音色だけ表示

職人モード: Bank/PC 直接入力

音色ブラウザ下部に MSB / LSB / PC を直接入力できる Directボックスがあります。 公式リストに載っていない特殊 Bank も自由に指定可能。


🎛 SC-88PRO 拡張機能

EFX (Insertion Effect) - 65 種完全対応

Mix タブ → SC-88PRO セグメントで切替可能。 Roland 公式マニュアル準拠の 65 種類のエフェクトタイプを完全対応:

EFX → Reverb / Chorus Send

SC-88PRO 公式仕様の「EFX 後段 → Reverb / Chorus へのセンド」を 再現する 2 つのスライダーです。 例: Distortion ギターを EFX で歪ませた後、Reverb で残響を足すような表現が可能。

独立 Delay ブロック

SC-88PRO は EFX とは別に独立した Delay ブロックを持っています。 Mix タブ → DELAY セクションで Type / Level / Time / Feedback / Send Rev を設定。

Master EQ (4-band)

SC-88PRO モード時のみ表示。Low / Mid1 / Mid2 / High の 4 帯域、 各 -12 ~ +12 dB で全体音質を調整。SysEx Address: 0x40 0x02 0x01-0x09。

Part EQ (各 ch の 2-band EQ)

Mix タブ → SC-88PRO TRACK SEND テーブルの EQ Low / EQ High 列で各チャンネル個別に低域・高域を調整できます。 用途例: Distortion ギターの ch5 だけ低音を +6 dB ブースト。

Voice Reserve

SC-88PRO は同時発音数 64 voice。各 part にいくつ voice を予約するか (0-24) を Send テーブルの Reserve 列で指定可能。 重要なパート (リードギター等) に多めに割り当てると音切れ防止になります。


🎚 MU100 拡張機能

Variation Effect - 72 種

XG 規格の Variation Effect は MU80 から存在し、MU100 で大幅拡張。 公式 (MSB, LSB) コード準拠で 72 種類を完全網羅:

Insertion Effect 1 - 44 種

MU100 から追加された Insertion FX。Variation とは別系統で同時併用可能。

動的パラメータラベル

Variation / Insertion Type を切り替えると、Param 1〜4 のラベルが 自動的にエフェクトタイプに応じた名前 (Drive / LFO Freq / Mix 等) に変わります。


🔌 2-Port MIDI 出力 (32ch)

SC-88PRO や MU100 は 2 つの MIDI ポート (Port A / Port B) を持ち、 合計 32 チャンネルで同時演奏できます。 本アプリは Port A / B のそれぞれに別の USB-MIDI 出力先を割当て可能。

設定手順

  1. ヘッダ右側の「MIDI OUT」ボタンをクリック
  2. ポップアップに「Port A (1-16ch)」と「Port B (17-32ch, SC-88PRO 等)」の 2 セクション
  3. それぞれ USB-MIDI デバイスを選択
  4. 同じ物理デバイスのマルチポートでも、別デバイスでも OK

トラックごとの Port 切替

アレンジ画面のインスペクタで CH 表示の右に Port A / Port B トグル(橙ボタン)があります。 タップで A ⇔ B 切替。Port B のトラックはトラックヘッダに「PortB CH3」と表示。

32ch 公式 MIDI 自動振り分け

SC-88PRO 用 32ch MIDI ファイルを開くと、17 トラック目以降が自動的に Port B に 振り分けられます。手動で再設定する必要はありません。

内蔵音源も 32ch 対応

外部 MIDI 機器なしでも、内蔵 SF2 で 32 チャンネル分のサンプラーが 独立動作します。Port A ch1 と Port B ch1 が同じ MIDI チャンネルでも 別音色で同時再生される構造。


🥁 Drum Map 切替 (24+ キット)

SC-88PRO はドラムキットを 24 種類以上持ちます (Standard, Power, Brush, Orchestra, TR-808, TR-909, Jazz, Hip Hop 等)。 ch10 のトラックで Voice Browser → Drum Kits カテゴリから選択可能。

ピアノロールでドラム楽器名表示

ch10 のトラックをピアノロールで開くと、鍵盤側のラベルが 「C0 / C1 / C2 ...」から 「Bass Drum 1 / Snare 1 / Closed Hi-Hat / ...」のような GM 標準ドラム楽器名に切り替わります (56 種類対応)。


🎼 Master Tune / Master Volume

Mix タブ → MASTER セクション (GS パネル先頭) で:

Master Volume は Universal Realtime SysEx で送信するため、 Roland / Yamaha 両機種に対応します。


📊 32ch Send Table

Mix タブ → SC-88PRO / MU100 パネル下部に TRACK SEND テーブル。 全 32ch (ch1-16 が Port A、ch17-32 が Port B 相当) の Send 量を 一望でき、列ごとに個別調整できます:


🎚 CC レーンビューワ

ピアノロール画面のヘッダに CC ボタン (橙) があります。 クリックすると下部に CC レーンが現れ、ノートの時間変化を可視化:

折れ線 + データポイントで Logic Pro の Auto-Curve 風表示。 現状は読取専用ですが、ギターのチョーキング (Pitch Bend) や オートメーション線が一目で分かるので分析に便利です。


📌 Marker / NRPN / RPN 完全対応

Marker / Cue Point 表示

MIDI ファイル内の Marker メタイベント (「Intro」「A メロ」「サビ」等) を アレンジ画面のルーラー下部に水色の小旗で表示します。

NRPN / RPN 完全透過

SC-88PRO のドラム個別パラメータ (NRPN MSB=0x18 Pitch / 0x19 Decay / 0x1C Pan / 0x14 Cutoff / 0x15 Resonance) と XG の Pitch Bend Range (RPN 0,0) は CC #6/38/98/99/100/101 シーケンスとしてそのまま 外部音源に透過送信されます。

※ 内蔵 SF2 サンプラーは Apple AVAudioUnitSampler の API 制約により NRPN/RPN を解釈できません。実機 SC-88PRO/MU100 への外部 MIDI 出力時のみ反映されます。


📥 ユーザ .midnam ファイル取込み

上記 11 機種に加えて、ユーザが独自に .midnam ファイル (MIDI Manufacturers Association 標準 XML) を取り込み、Voice Library に追加できます。

取込み手順

  1. プロジェクトメニュー → 「Voice Library 管理 (.midnam)...」
  2. 「.midnam を追加」ボタン → ファイル選択
  3. 即座にパース・反映され、Voice Browser に新モジュールタブが出現
  4. 不要になったら同ダイアログから削除可能

入手元

取り込んだ .midnam は次のフォルダに保存されます (起動時に自動ロード):

~/Library/Application Support/easy_midi_creator/user_midnam/

🆘 トラブルシューティング

Q. SC-88PRO 公式 MIDI を開いたらピアノで鳴ってしまう

MIDI OUT 設定でデバイスが正しく選ばれているか確認。 内蔵 SF2 では SC-88PRO 固有音色を再現できないので、 実機 SC-88PRO を接続するか、SC-88PRO 風のサウンドフォントを 別途用意してください。

Q. ギターのチョーキング (Pitch Bend) が薄っぺらい

Pitch Bend は外部音源では正常動作します。 内蔵 SF2 は AVAudioUnitSampler のため Pitch Bend Range が固定 ±2 半音、 RPN による拡張に未対応です。実機接続をおすすめします。

Q. Port B のトラックが鳴らない

Port B が未接続の場合、自動的に Port A にフォールバックして送信されます。 32ch 完全駆動には 2 つの USB-MIDI 出力 (またはマルチポート機器) が必要です。

Q. EFX を切り替えても音が変わらない

EFX Type Code 65 種すべて Roland 公式マニュアル準拠に修正済みです (2026-05-13)。 それでも変わらない場合は、Reset 後の Bank Select が EFX タイプを上書きしている可能性があります。 EFX セクションのスイッチを一度 OFF→ON してください。


📚 関連ドキュメント